古代の都、難波津の時代、「天下の台所」と呼ばれた江戸時代、そして「東洋のマンチェスター」と呼ばれた近代に至るまで・・・大阪の河川や堀川は、物流の大動脈として活躍しました。近年は、鉄道や自動車の発達に伴ってその役割も小さくなり、多くの堀川は埋め立てられました。
しかし今世紀になってから、大阪を今一度、水の都として再生する取り組みが始まっています。
今でも残る河川や堀川を活用し、市民や観光客に水辺を楽しんでもらおうというプロジェクトが、官民それぞれで行われています。旅客船もそのひとつで、水上バスや屋形船、レストラン船、ボートなどが運航されるようになりました。

回乗船させていただいた「御舟かもめ」は定期運行されているものの中ではいちばん小さく、2009年夏より運行されています。乗り場は、天満けいさつ前の若松の浜船着場。京阪電車中之島線なにわ橋駅から徒歩10分ぐらいです。
船長の中野さんが「川に浮かぶ小さな家」と名づけた10人乗りの船上の空間は、建築家Gさんと、神戸の家具職人MOUさんの手によるもので、居心地の良いウッドデッキと、低い橋でもくぐれるように造られた木製のしゃれた建屋があります。船長さんが、この建屋の屋根から顔をだして操船するさまは、とってもユーモラス!おもちゃのポンポン船みたいです。

10時10分乗船開始。乗客は我々取材チーム2名を含めて5人と1匹。その1匹がお客さんが連れてきたかわいいトイプードルの「ぽぷりちゃん」(写真)でした。この船は、事前に相談すればペットの乗船もできるようです。
乗船した「朝ごはんクルーズ」は、天然酵母パン・サラダ・ドリンク付きのクルーズコースです。出港前に船長さんが、お料理をデッキまで持ってきてくださいます。コーヒーとパンは市内のお店の職人さんに依頼して仕入れているそうで、食器にも船長さんのこだわりが見られます。
ともあれ、船上のデッキで朝食・・・それだけでとっても贅沢な気分です!

まもなく出港。船外エンジンの船は騒音や振動もほとんど無く、すべるように進みます。すぐ前の鉾流橋をくぐり土佐堀川を西へ、クラシックな大阪中央公会堂や中央図書館を左に見て水晶橋をくぐります。ふだん何気なくわたっている橋も真下から見ると大迫力!
市役所横でUターンした御舟かもめは、東へと堂島川を上ります。先ほど出港したのりばを過ぎると、中之島公園のバラ園が見えてきます。この日はいろいろなお店も出て、にぎわっていました。
やがて、中之島の反対側を流れる土佐堀川と一緒になって大川(旧淀川)に入ります。川幅も広くなり視界も開けます。右手に見える八軒家浜船着場には、水上バス「ひまわり」が停泊していて、ちょうど船上結婚式が行われていました。
この後、造幣局や桜宮、源八橋などを見ながら川を上り、JR大阪環状線の淀川鉄橋で折り返す船旅を堪能することができました。

御舟かもめには、今回のコースのほか、河口付近の巨大な建造物を見て回る「ドボククルーズ」や、ミナミの道頓堀まで行く「バークルーズ」など多彩なコースが用意されています。


御舟かもめのWEBサイト(外部リンク) http://www.ofune-camome.net/










朝食プレート
ウッドデッキ